近くて甘い
第59章 運命の悪戯
──────『大丈夫だってば…』
──────『もう…光瑠ったら心配しすぎ』
まるで向日葵(ひまわり)のようだった彼女…
──────『急性白血病…そうやって先生はおっしゃったけど、難しい言葉ばかりでよく分からなかったの』
──────『病気が治ったら、そしたら結婚式しましょう?私着たいウェディングドレスがあるの!』
徐々にやせ細っていくその身体…
それでも、
彼女は笑顔を絶やさない…。
──────『ひか…る…』
息をするのもままならなくても…
それでも…
───────『……あいし…てる…』
力一杯愛してくれた…。
向日葵だった。
どんなに辛くても、明るい方しかみない。
彼女は向日葵だった…
───────『ご臨終です…』
最期まで…。