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近くて甘い

第59章 運命の悪戯

「ごめんなさい…私…」




「………」




「あんなに光瑠さんと要さんに教えてもらったのに、
試験っ…受けれなくて…」



俯きながら、パラパラと涙を流す真希を、光瑠は思わず抱き締めた。




「そんなことはどうだっていいっ…」




健康なら…



傍にいるなら…



目の前から…消えないのなら…



それでいい…。





「………それで…」




抱き締めたまま、光瑠は真希の頭を撫でる。





言葉がうまく続かない…。





「…それでっ……医者は…っ。
医者はなんと…」





聞くのが怖い。



────────『急性白血病…そう先生はおっしゃったけど…』





この病院の香りが…

悠月のことを、思い出させて、

全てを狂わせる。






「それが…」




身体を少し離して見上げてきた真希のことを、光瑠は唇をワナワナとさせながら、見つめた。




「………言うな…」



「え…?」



「それ以上は…っ。今言うなっ…」



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