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近くて甘い

第60章 卒業と、それから…

そんな風にみんなが考えてくれてたなんて…




「………本当にっ…本当にありがとう…」




思わず溢れた涙を見て、三人が笑う。



「もう…本当によく泣くんだから…」



「だってっ…」



「これから式なのに、お化粧が崩れてしまいます…」



そ、そうだ…!せっかく愛花ちゃんがしてくれたのに…っ




「そうだね、ごめん…」



メイクを落とさないように私が涙を拭うと、コンコンとドアがノックされた。




「はーい」




「そろそろ準備はいいかな…?」



「今出来たところです!」




ドアの外から聞こえていた要さんの声に急に緊張が高まる。


ふぅ、と息を吐くと、愛花ちゃんがドレスの裾を、梨子が私の手を掴んで立つのを手伝ってくれた。




「じゃあ…行きましょう…」




加奈子さんが扉を開けると、要さんとお父さんが並んで立っていた。




「真希…」



「お父さん…」



私の名前を呟いて固まったままのお父さんは、ゆっくりと微笑みを作った。



「…………綺麗だよ…」




「ええ…本当に…。お美しいです…」




隣にいた要さんがお父さんに同意する。



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