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近くて甘い

第60章 卒業と、それから…

━━━━━━━…


「誓います…」



光瑠さんの言葉が身体に染みた。




こんなに温かい気持ちでいられるなんて…



本当に私はなんて幸せなんだろう…。





「それでは誓いのキスを…」




ゆっくりと向かい合った私たちは、ベール越しに見つめ合う。



そして、光瑠さんは、ベールをゆっくりとめくった。




「………もう逃がさない」



「え…?」



「これだけの証人がいるんだ、お前が万が一俺から逃げ出そうとしても──」



「逃げ出したりなんかしませんよっ…」




ムッとして、光瑠さんを見たら、フッと吹き出すように笑った。




「………もうっ…」



「……愛してる…」




さっきの意地悪な笑みとはうって変わって、真剣な顔つきでそう囁いた光瑠さんは、ゆっくりと目を瞑ると、そのまま私に顔を近付けた。




私も…愛してる──




そう心で呟きながら、光瑠さんのキスを待っていたそのとき…




「ストップーーーー!!!!!!!」





大きな声が響いて、私と光瑠さんは唇が重なる直前でハッと目を開いた。





「こらっ…隼人っ…」




そして、最前列で大声を出した犯人を叱るお父さんの方を私たちは見た。



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