近くて甘い
第61章 近くて甘い
あーいえばこーいう……
こういう時、必ず望に言い負かされてしまうことは、光瑠も分かっていることだ。
「ほら、何も言えないんじゃん!」
得意げな表情を見せる愛娘…。
困惑する光瑠を見て真希と要が笑う。
「そ、それとこれとは話が別だ!」
「どう違うの?教えて?」
ゆらゆらと揺れる大きな瞳。
うっと息を詰まらせる光瑠。
「………いいから、トランペット買ってね!約束だよ!」
「か、勝手に何を言って──」
「ありがとうお父さん!大好きっ!」
「っ………」
るんるんな様子で言い切った望は隼人が持ってきたお土産を開ける。
項垂れながら溜め息をついた光瑠のそばに要が寄る。
「完敗…ですか」
「関根……酒田に名のある楽器屋に連絡するように言ってくれ…」
「ふっ…」
「そんな一々高級品じゃなくてもいいですよっ…!どうせあの子は飽きるんですし、買わなくていいものなんですから!」
真希がムッとしていうと、光瑠は、すかさず要に視線を投げた。
「っ……関根…助けろ…」
「あなたのような人は、愛する対象が増えると本当に大変ですねぇ…」
楽しそうに笑った要に、光瑠は、ハァッと深く息をついた。
こういう時、必ず望に言い負かされてしまうことは、光瑠も分かっていることだ。
「ほら、何も言えないんじゃん!」
得意げな表情を見せる愛娘…。
困惑する光瑠を見て真希と要が笑う。
「そ、それとこれとは話が別だ!」
「どう違うの?教えて?」
ゆらゆらと揺れる大きな瞳。
うっと息を詰まらせる光瑠。
「………いいから、トランペット買ってね!約束だよ!」
「か、勝手に何を言って──」
「ありがとうお父さん!大好きっ!」
「っ………」
るんるんな様子で言い切った望は隼人が持ってきたお土産を開ける。
項垂れながら溜め息をついた光瑠のそばに要が寄る。
「完敗…ですか」
「関根……酒田に名のある楽器屋に連絡するように言ってくれ…」
「ふっ…」
「そんな一々高級品じゃなくてもいいですよっ…!どうせあの子は飽きるんですし、買わなくていいものなんですから!」
真希がムッとしていうと、光瑠は、すかさず要に視線を投げた。
「っ……関根…助けろ…」
「あなたのような人は、愛する対象が増えると本当に大変ですねぇ…」
楽しそうに笑った要に、光瑠は、ハァッと深く息をついた。