近くて甘い
第5章 愛猫家になろうっ!
「んっ…なっ、なんだ突然…っ」
「本当は優しい…光瑠さんのそういうところ、私、とっても好きです…」
真希は優しくそう呟きながら、光瑠の胸に顔を埋め抱き付いた。
光瑠はつい綻びそうになった口元を懸命に引き結ぶ。
「そっ、そう言ったらすんなり許すようなっ…、俺がそんな単純な男だとでも思っているのかっ!! 」
「えっ?もう許してくれましたよね…?」
不安そうに顔を上げ、瞳をウルウルとさせる真希を見て、光瑠はゴクリと唾を飲んだ。
「………いやっ…俺は…」
言い淀む中、さらに一層強くギュッと抱き締められた感覚に光瑠は目を見開く…。
「俺は…なんですか…?」
「っ……俺は…だなっ…!」
“大好きと言われたり、強く抱き付かれたからといって、猫を飼うことを許したりはしない!”
そう言うつもりであった。
が─────
「俺は……っ、絶対に……世話を…手伝ったりしないからな…」
「はいっ…ちゃんと自分でやります!本当にありがとうございます!」
「………ん…」
満面の笑みを見せる真希の頭にポンっと手を乗せながら光瑠は大きく項垂れる。
そして、もう片方の手で自身の顔を覆った。
何故だっ…何故こんなことになったっ…!?
世界に名を轟かせる有川商事社長、有川光瑠────婚約者(女子高生)に無念の完敗…である。
「本当は優しい…光瑠さんのそういうところ、私、とっても好きです…」
真希は優しくそう呟きながら、光瑠の胸に顔を埋め抱き付いた。
光瑠はつい綻びそうになった口元を懸命に引き結ぶ。
「そっ、そう言ったらすんなり許すようなっ…、俺がそんな単純な男だとでも思っているのかっ!! 」
「えっ?もう許してくれましたよね…?」
不安そうに顔を上げ、瞳をウルウルとさせる真希を見て、光瑠はゴクリと唾を飲んだ。
「………いやっ…俺は…」
言い淀む中、さらに一層強くギュッと抱き締められた感覚に光瑠は目を見開く…。
「俺は…なんですか…?」
「っ……俺は…だなっ…!」
“大好きと言われたり、強く抱き付かれたからといって、猫を飼うことを許したりはしない!”
そう言うつもりであった。
が─────
「俺は……っ、絶対に……世話を…手伝ったりしないからな…」
「はいっ…ちゃんと自分でやります!本当にありがとうございます!」
「………ん…」
満面の笑みを見せる真希の頭にポンっと手を乗せながら光瑠は大きく項垂れる。
そして、もう片方の手で自身の顔を覆った。
何故だっ…何故こんなことになったっ…!?
世界に名を轟かせる有川商事社長、有川光瑠────婚約者(女子高生)に無念の完敗…である。