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近くて甘い

第8章 ふぉーりんらぶっ!

「────謎めいている方が、おもしろいし、かっこいいだろ?」



ニヤリとしながらいたずらっぽく片眉を上げた要を見て、加奈子は鼻血が出そうになり、鼻を抑えた。



もっ…もうすでに超かっこいいのにっ…

これ以上かっこよくなる気なの…!?!?



「なっ、名前もっ…名前も教えてくださらないんですかっ…」



必死に言葉を発し、どうにかして彼の情報を手繰り寄せる。



要はうーんとわざとらしく声を発して加奈子を見た。



「そうだな…ちょっとだけなら。」



やった…!!



目を見開いた加奈子が期待の眼差しを要に向ける。



「………かなめ。」


「…かな…め…?」


「そう、要。それ以上は…言えないな」



ニッと笑った要は医務室の扉へ歩いていった。


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