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近くて甘い

第9章 青春の風が吹く

我に返って真希のノートを覗き込む。



「おぉ、合ってる」


「本当にっ?ありがとう…!」


「っ……」



ニコッと微笑んだ真希を見て、浩平はすぐさま目をそらした。


そんな浩平を真希は不思議そうに見つめる。



やべぇっ…
かわいいーー!!!



「吉岡くん…?」


「あっ…どっ、どういたしまして…」



実を言うと本題は別にあった。


でも中々それを浩平は言い出せずに、狼狽える。


もう勉強を教えるのは済んだが、まだ真希の前から立ち去れずにいると、チャイムが鳴ってしまった。



「あ、授業始まるね…」


「だな…んじゃ…」



自分のヘタレ具合に泣きそうになりながら、その場をあとにする。


意気消沈しながらとぼとぼと歩いていると、そんな浩平に気付いた亮が肩を叩いた。


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