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近くて甘い

第10章 プリンスはMr.…

あの副社長に惚れないなんてどうかしてる…


加奈子は目を細めて香純を見つめた。


「私、優男って苦手でさ。誰にでも優しいだなんて刺激ないしぃ。
それだったら何千倍も有川社長の方が…」


目がハートにする香純を見て、藍が笑った。


「うん、有川社長も本当にかっこいいよねぇ…でも、社長には婚約者がいるからいくら香純でも──」


「うるさいわね。私本気だから。」


目を見開き静かに言い放った香純を見て、藍が固まった。


加奈子はまた新しい情報に身を固まらせていた。


社長に婚約者…?


いくらかっこよくても、あんなに暴君なのに?


お茶一杯で色々ケチをつけられたことを思い出して、加奈子は頭を掻いた。


「香純…あんた何言ってんの?有川社長はその婚約者のこと溺愛してるって──」


「私見たことあるの、社長の婚約者。」

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