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近くて甘い

第10章 プリンスはMr.…

ドンッ


と藍の言葉を遮るように、香純がコップをテーブルの上に置いた。


「美少女…?あれのどこが?」


こわっ…


殺気立つ友人に加奈子は身を震わせた。


何を考えてるんだろう…

何となく、良くないことだというのは鈍感な加奈子でも分かる事だ。



「なにか理由があるのよ、じゃなかったらあんな小娘と社長が婚約するわけないもの。」


「小娘って…、やめなよ香純、失礼──」


「私の方がよっぽど有川社長と釣り合う──」


は…?


ニヤリと香純が笑った。


「そう思わない…?」



藍と加奈子はゴクリと唾を飲んだ。


「……やめなさいよ…。あんたならいくらでも男選び放題でしょ?」


「そっ、そうだよっ…香純いっつも男とLINEしてるじゃんっ…」


茶化して、場の空気を和ませようと藍と加奈子が努める。

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