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近くて甘い

第11章 愛の鎖

━━━━━━━…

カリカリと計算を始めた真希の横顔を光瑠はじっと眺める。


頭の中では…
ずっと“吉岡くん”という名前がグルグルとしていた。


そいつはどこのどいつだ…っ


どうしようもなく嫉妬が渦巻いて、胸を締め付ける───


だが、怒鳴りそうになったところで以前の要の言葉が頭を駆けた。


────────嫉妬深く束縛し…わがままで怒鳴ってばかり…


────────真希さんも疲れてしまうと思いますけど…



ならどうすればいいっ…

対処を言えっ対処をっ!


それが分からぬまま光瑠はただ無理矢理に嫉妬の念を押し殺そうと苦しむ。



だが…

人一倍、独占欲の強い光瑠がそんなこと出来るはずもなく───

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