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「なら離せ。そして早く寝ろ」


「…………」



さっきまで酒注げって言ってたのに。

あれはただの気紛れ？


「……おい。」

「………光瑠さんは寝ないんですか？」


「俺はこれが飲み終わったら寝る。」


ん……


「じゃあ光瑠さんがそれ飲み終わるまで待ちます…」


私の言葉に光瑠さんはキョトンとしながら、しばらく私を見ていた。


だって…

なんか…今日…私…



光瑠さんは再びグラスに口を付けながら、眉を上げた。


「誘ってるのか？」


「………」


黙った私を見て、光瑠さんが鼻で笑った。


「ふっ……そうじゃないなら訳の分からんことを言ってないで早く寝ろ」



「………そうだから寝ませんっ…」



私の返事に光瑠さんは飲んでいたお酒をブッとグラスの中に吹き出した。


「………汚い…」


ケホケホとむせる光瑠さんを見ながら、自分の顔が紅くなるのを感じた。


「すまんっ…幻聴が…っ」


なにそれ…


光瑠の腕を掴む力が強くなる。


すっごい恥ずかしかったのに…。



「幻聴じゃないですっ…！」


グラスをサイドテーブルに置いた光瑠さんの喉が揺れた。