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近くて甘い

第15章 いざ出発っ!

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酒田は社長にしっかりと今後のスケジュールの説明をしていたのだが、光瑠の心ここにあらずな様子を見て、真面目に説明するのをやめた。


『あぁ、』

だの、

『ん、』


だの、変なところで相槌が返って来る。


酒田は思わずハァッとため息をついて光瑠のデスクにバンッと手をついた。


「社長!!いい加減にして下さいっ!!
あなたの下に何百何千何万と人がいるんですっ!!
たかが真希さんが4日いないだけで一々そんな風になられては困ります!!」



気の弱い酒田にしてはよくやったものだ。


言ったあとにガタガタと震えているのは彼らしいのだが、

それでも光瑠は、あぁ、と相槌を打っただけだった。


ダメだこりゃ───



頭を抱えて酒田が座り込む。


酒田は光瑠を尊敬している。


多少荒っぽいのはあるが、決断と行動の早さ・大胆さ・的確さでは、右に出るものはまずいないだろ。


若さだけが理由ではない…

努力したところで真似はできない…

それは生まれもったもの。

天性なのだと思う───

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