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ムッとした声を出した愛花ちゃんに、私と吉岡くんは驚いて呆然とする。


そしてすぐに私はハッと息を飲んだ。



そうかっ…

愛花ちゃんは吉岡くんのことが好きだから、きっと嫉妬してるんだ…！



相変わらず気の利かない自分に溜め息が洩れる。



「愛花ちゃんごめんねっ…」


「はい…？私はただご主人さ───」


「じゃあここで一旦休憩するから、トイレ行きたい人は行ってねー！」



愛花ちゃんが何か言い掛けたところで、運転席にいた梨子の叔母さんである、ゆかりさんが声を掛けてきた。


休憩か…
そうだ…！帰ってきたら、愛花ちゃんと席交換して、吉岡くんの隣にしてあげよっと。



「お姉ちゃん？でんわぁー！」



トイレに行く途中で隼人が私の服の裾を引っ張って見上げてきた。



でんわ…？



「なに、でんわって…」


「ひかるに、でんわぁー！」


「ちょっ…！隼人っ！」



大きな声で隼人が叫ぶから私は慌ててしゃがみこんで隼人の口を塞いだ。