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近くて甘い

第16章 サプライズッ!

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危なかった…っ


苦しい言い訳を吉岡くんにして、私は隼人の背中を押しながら歩いていた。



「おねぇちゃん?いとこって?」


「隼人…言ってなかったけどね、光瑠さんと要さんのことは、他の人に言わないで?」


「なんで…?」



小さい子にウソをつかせたりするのは心苦しいけど、やっぱり、私が有川商事の社長の婚約者だってバレると、普通の高校生活を送ることは多分不可能になるし…


何より、愛花ちゃんが、メイドさんってバレることは避けたい…。



「どうしても…なの。そうすれば、みんな幸せだから…分かってくれる?」



しゃがみこんで、隼人と視線を合わせた。
本当に訳が分からなそうな顔をしていたけど、すぐに隼人はコクンと頷いた。


「ありがと…」


「…おねぇちゃん。ひかるにでんわ!」


「あ、そうだね。じゃあちょっと電話するから待ってね」



そうだ…こっちのみんなに光瑠さんの事はバレたくない以上に、こっちのことを光瑠さんにバレたくない…。


まだ八ヶ岳に着いてもないのに疲れて来ちゃったよ…っ


はぁ…と一つ溜め息をついたあと、私は携帯を取り出して、光瑠さんにコールした。

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