近くて甘い
第17章 社長夫人は高校生っ!
「カードを買ってやる?何ですかそれっ」
詰め寄っていくと、光瑠さんはあからさまにそっぽを向いた。
まさかっ…
「隼人を買収したんですかっ…!?」
「っ……」
「光瑠さんっ!答えてくださいっ!」
諦めたのか、完全に開き直った顔をした光瑠さんは、腕を組んで私を見下ろしてきた。
「お前が信用ならないから、隼人に状況を報告するように頼んだだけだ。別に買収なんかっ───」
「それを買収って言うんですっ!!!!」
もうっ…
そんなどうでもいいことで、8歳の子を釣るなんて、本当に最低っっ!!!
「場所はどうして分かったんですかっ!」
「……………GPSを隼人に持たせた」
「なっ…本当に最低!」
「最低⁉︎ ふざけるなっ!結局役に立ってるだろうがっ!」
「いいえっ!最低です!信じた結果がこれだとか言ってますけど、光瑠さんは最初から私のことを信じてなんか無かったんですねっ!」