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近くて甘い

第17章 社長夫人は高校生っ!

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「おっ、おい!藤木!」


ハッ───



光瑠さんと言い争っていると突然吉岡くんが声を掛けてきて、私はようやく我に返った。



「ごっ、ごめんっ…」


「おい!気安くこいつの名を呼ぶなっ!ガキがっ!」


「っ……なんで、お前にそっ、そんなこと言われなきゃいけねぇんだよ!」



えっ…!強気に出た吉岡くんの言葉に光瑠さんが目を見開いた。


「この俺を“お前”呼ばわりするとは…」


「もぉっ!光瑠さん!!」



どうしてこの人はこんなにすぐ怒るの…っ!



「──────俺の名前は有川光瑠だ」


「っ…!あっ、有川っ…?」




……………ついにバレてしまった…


両ひざの力が抜けていくのが分かった。




「今後一切真希に近付くな…

もし髪の毛一本でも触れたら、俺は迷うことなくお前を殺す」



下唇を噛んだ吉岡くんの隣で、梨子が光瑠さんを見上げた。


「あのっ…あなたはっ…真希とは一体どういう関係の…」


ピタリと動きを止めた光瑠さんは、すぐにくるりと振り返って私を睨み付けた。


「まさかっ…言ってないのかっ…!」


「だって…っ」


チッと舌打ちした光瑠さんはまた三人の方へ向き直った。


「あいつは…俺の婚約者だ───」

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