近くて甘い
第18章 片想いの星
「でも…吉岡くんはぜっっっったいに実らないって分かっていたのに、とても応援したくなりました…」
「ちょっ…」
絶対って強く言い過ぎじゃないかっ…!?
少し不満そうに浩平は顔を上げたが、クスクスと控えめに笑う愛花に何故か目が離せなくなった。
「片想いって辛いですよね…」
そういいながら、ふぅと息を吐いた愛花は、ゆっくりと外に向かった。
吸い付けられるようにして、浩平も外に出る。
もう5月だというのに、寒いな…
失恋した身には少々厳しい風が浩平を冷やす。
「きれい……」
上を見上げてため息まじりに愛花が言葉をもらした。
「………ほんとだ…」
満天の星とは…このことだ…
「確かに…これはやばい…」
静かな森の夜。
梨子の亮の笑い混じりの会話と、
真希、光瑠、要の店内からの大きな声。
「野口も…片想い中…?」
空を眺めながら、そんな話を降った。
何だか奇妙だ。