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近くて甘い

第18章 片想いの星

随分とはっきりとした言い方に浩平は首を傾げた。



「私の好きな人は…」


空から、浩平に視線を移した愛花、不自然なほど優しく微笑んだ。




「結婚…されている方なので…」



えっ…?



「結婚って…」


「分かっているんです。親切なのも、私が生徒だからってことは…」


せっ、生徒…!?


「あっえっとっ…??」


「小林先生です…」



そう呟いた彼女の言葉が浩平はよく分からなかった。


小林……?

小林…


小林…



頭の中で検索が始まる。



そして、
ふと、毎日見ているオカッパ頭が脳裏を掠めた。


えっ!?


「小林って…まさか担任のコケシっ!?!? 」


「ちょっと…声が大きいですっ…!!!」


「まっ、まじかよっ…!?!?」



口に手を当てて、目を見開く浩平の隣で、愛花が恥ずかしそうに俯いた。


そんな趣味だったのか…っ
ていうか、あいつ、結婚してたのかっ…



色々な情報に驚く浩平は、あまりの衝撃に自分が今日派手に失恋したことを忘れそうだった。



「……誰にも言わないで下さい…お願いします…」


「おっ…おうよ…」


変な沈黙が続く。
励ますつもりで、何故か浩平に自分の秘密を話してしまった愛花は、ギュっと強く、両の拳を握った。



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