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近くて甘い

第21章 チョコレートは魅惑の味…

ぐっと歯を食いしばった香純の手元が震える。


いやっ…きっと親戚の子とか…そんなのよっ…



「あっ…ごめんなさいっ…私もう行かなくちゃっ…」


「ん?何かあるのか?」


「ユリちゃんの世話をする時間でっ…」


「また猫かっ…」



呆れた様子の光瑠に謝りながら、真希が勉強道具を片付け出した。



「……今夜も遅いですか?」


カバンを持ちながら、見上げた真希の頭に光瑠が手を乗せる。



香純はイライラしながらも、その様子に目が離せないでいた。



「そうだな…先に寝てろ…」


「……そんなに遅くないなら、私待ちます…」


「いや、遅いから待つな」


シュンとした真希を抱き締める光瑠。


そんな二人を見ながら、信じたくない疑惑が広がっていく…



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