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近くて甘い

第22章 疑惑の二人

本当に、光瑠さんのばかっ!


朝の喧嘩…というか言い争いを思い出して、すでにぐったりとした身体がまたぐったりとする。



昨日…私、どうしたんだろう…


会社に行って、要さんに英語を教えてもらおうとして…


確か、きれいな人が、光瑠さんからだって言ってチョコレートを持って来てくれて…



「覚えてないわけ…?」



昼休み、愛花ちゃんもいるから、こういう話は何だか恥ずかしかったけれど、記憶がないなんて事は初めてだから、私は二人に相談していた。




「ご主人様に抱えられてお帰りになったのも覚えていらっしゃらないんですか…?」


「うん…全く…」



どうして要さんに英語を教えてもらうはずだったのに、そんな事になったんだろう…



「それから私がどうしてたか愛花ちゃん分かる?」


「っ…いやっ…あの…っ…メイドはそんなっ…部屋の前をウロウロしてる訳ではありませんのでっ…」


何故か目を泳がせて、顔を真っ赤にした愛花ちゃんを、梨子はジッと見つめた。



「なるほどね…」


?何が?


「なるほどって何?」


訳が分からず、梨子に尋ねると、愛花ちゃんが、私は何も言ってませんっ!と叫び出した。



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