近くて甘い
第22章 疑惑の二人
なになになに!?
どういう事!?
「お家は広いって聞いてたけどそうでもないんだ…」
「え?何言ってるの?有川邸は本当に広くて──」
「じゃあエッチの時の真希の声が大きいだけか!」
!?!?!?!?!?!?
「ゴホッゴホゴホっっ」
食べていたものが、突然のどに詰まると、愛花ちゃんが慌てて、水を差し出してくれた。
やっと生き返って涙目で梨子を見ると、また楽しそうにこっちを見て来た。
「ちょっと!何で今日そんなに意地悪なのっ!? それに私はそんな声出したりは…」
言いながら、愛花ちゃんを見たら、愛花ちゃんはポッと顔を紅くして俯いた。
……うそでしょっ…
「やだっ…」
みるみる自分の顔が熱くなって行くのを感じた。
そんなっ…じゃあ
「いつもっ…」
その先は怖くて言えなかった。
慌てた愛花ちゃんが私の手を握る。
「違いますっ…あのいつもはそんな事ないんですけど、昨日はそのっ…真希さまの様子が…」
─────────俺を殺す気か…
朝、光瑠さんに言われたことを思い出して、私は青ざめた。