近くて甘い
第31章 if...
トンッと、カナメさんの手が私の肩に触れた。
「あのっ…私この前───」
突然、力強く身体を引き付けられて、声が詰まった。
「ずっと探してたっ…」
え…?
ずっと…?
「あの日から…ずっと…っ…君のことをっ…」
彼はそう言いながら、抱き締める力を強くした。
また、
目が熱くなって、涙が出た。
忘れられてなかったっ…
それどころかっ…
彼は…私の事を探してくれていたっ…
「私もっ…あなたに会いたくて…っ」
彼はゆっくりと身体を話すと、私の頬に触れて、遠くを見た。
「そうか…
良かった…。君も…会いたいと思ってくれていたんだね…」
コクンコクンと頷くと、カナメさんは微笑んで、また私の事を強く抱き締めた。
「もう二度と会えないかと思ったよっ…」