近くて甘い
第31章 if...
俺に逆らうことは許さない…
恋だの愛だのはもう、どうでもいい。
愛しているのは、今も昔も…そしてこれから先も、悠月だけ。
もうこの世では咲く事のない、ひまわり───
「何でしょうか…」
「いくらでも出す。
金額はお前が決めていい。
だから、そいつを…
その女は俺に渡せ」
冷酷な言葉に、真希と要は目を見開いた。
それと同時に真希は怯えるようにして、さらに強く要のジャケットを掴んだ。
「いやっ…
私はあなたの傍になんかいたくないっ…」
「っ…お前が俺の傍にいたいかいたくないかは関係がない。
これは、俺と関根の取引だ。
お前に発言権はない」
何故っ…
何故社長はそんなことを言うのだろうっ…
要の知らないところでこの二人に何かあったことは明らかな事だった。