テキストサイズ

近くて甘い

第31章 if...



幸せな家族。


それがあれば、有川様も変わったのかも知れない…




「たまに…後悔することがあるよ…」




あれから、要さんは手術をすれば、目が見えるようになるかも知れないと医者に言われたが、命の危険があるからという理由で、その手術は受けない事にした。




「何をですか…?」



「……有川商事をやめたこと…かな」



「…………」



「社長が、真希のことを卑怯な手で傍に置こうとしたことや、お金で俺から買おうとしたことは、未だに許せないけど…」



「要さん…」



「……まだまだ成長する可能性のある会社だったから…」




ギュッと私を抱き締めた要さんは、私の額に額を付けた。





「社長は…酒に溺れて、身体を壊しているらしい…
そんなに命も長くないんじゃないかって、噂も聞いたよ…。
“あれじゃあまるで自殺だ”って…」



「っ……」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ