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近くて甘い

第34章 企てとすれ違い

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「要さんっ…」




聞こえて来た声に、要は書類に目を通したまま固まった。



この声を聞き間違えるはずがない──




「真希さん…」




顔を上げた要は、そこに佇む真希の事を見つめた。





思わずキスをしてしまったあの日以来…



うまく謝ることも、そしてその心の準備を出来ないままついにここまで来てしまった。





「お話があって…
今…大丈夫ですか…?」





何かを決意したようなその力強い眼差し。




これだ──…



彼女は、たまに、驚くほど大人な顔をする…





「ええ…大丈夫ですよ。
僕もちょうど話したいと思っていました…」





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