近くて甘い
第34章 企てとすれ違い
「冗談ですよ…」
「っ…」
「半分ね…」
ニコリと要さんが笑ったのに、私もつられて笑った。
はっきりと言葉にすることは辛かったけれど、やはりちゃんと言って良かった──
あとは…
光瑠さんとちゃんと話をして…
「あれっ…?」
バチンと音がしたと思ったら、突然部屋の中の電気が消えた。
昼を少し過ぎた頃合いだから、窓からの光りで真っ暗になるということはないけれども…
「停電か…?」
「どうなんでしょう…廊下に出てみましょうか」
私と要さんは、とくに慌てることもなく廊下に出た。