テキストサイズ

近くて甘い

第34章 企てとすれ違い

絡みが徐々に深まって行く──



洩れる水音。


光瑠は香純のシャツのボタンを未だにたどたどしく外していた。



そして丁度その時──



パチンと音を立ててエレベーターの電気がついた。




えっ…?




驚いた香純は目を見開くが、光瑠はそんなことお構いなしでキスをし続ける。




このままじゃまずいっ…
あの男っ…本当に使えないっ…!




イラつく香純は、軽く唇が触れる位置で止まって見上げて来た光瑠に、胸が締め付けられた。



「真希…」



上気した顔。



優しく微笑まれて、香純は、真希本人でないのに関わらず、その表情に釘付けになった。




そして…


最悪のタイミングで

8階で、エレベーターの扉が開く──…





「愛してる…」





それと同時にそう呟いた光瑠は、


心配していた社員と…真希の前で、



再び香純の事を引き付けてキスをした。





ストーリーメニュー

TOPTOPへ