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近くて甘い

第34章 企てとすれ違い

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胸元をはだけさせたまま、香純に手を伸ばす光瑠に、要は目を見開いた。




案の定、ワナワナと震えて走っていってしまった真希。


そして、光瑠がまたはぁっと息を吐いた。




「真希っ…俺から離れるなっ…」




「っ…社長っ…!?」





この櫻井とかいう新入社員と真希さんを勘違いしている…?



眉をしかめた要は、光瑠の肩を掴みながら香純のことを見た。




去っていった真希の事を見ながら、微かに上がった口角…




おかしい…


この新入社員は前から不審な行動な表情ばかり見せる…







「真希っ…」



「社長っ…彼女は真希さんではありません!しっかりして下さい!」



「だま…れっ…」





たどたどしい言葉。

熱い身体に幻覚症状…




これは見覚えがある…





─────────抱いてっ…




真希さんが僕を社長だと勘違いして迫ってきた日とそっくりだ…





「とりあえず、医務室まで運ぼう…
酒田、手伝え…」



「あっ…はいっ…」



「他の社員は自分の場所に戻ってデータの状態を調べてくれ。この事をこれ以上他に広めるような事は絶対にするな…」




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