テキストサイズ

近くて甘い

第37章 立つ悪女は後を濁す





ここ最近は光瑠を落とすために随分と気を張っていたからか、それが終わって一気に襲ってきた虚無感に香純は視線を落とした。




「香純…」


「………」


「何か…得たものはあった…?」



「っ……」




得たもの───…



そんなもの何一つない。



それどころか、職やお金、そして同僚までも失った。





「……同情なんかしないでよ」




「してないよ」




はっきりと藍に言われて香純は藍の事を睨んだ。




「だって自業自得でしょ…?」








ストーリーメニュー

TOPTOPへ