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近くて甘い

第38章 花の都は恋の街

一体何が起こっているのだろうか…


幻覚だろうか…




光りに当たって、長い黒髪が艶めく。




「光瑠さんはっ…


光瑠さんは私のものですっ…!だから勝手に触らないでっ!!」





だが彼女がここにいるはずなどっ…




切なげに目を細めた光瑠は躊躇いがちに手を伸ばした。




「確かにっ…私は何の取り柄もないしっ…むっ胸も小さいしっ…高校生だしっ…でもっ…」




まさかっ……まさかっ…──




「でもっ…光瑠さんを想う気持ちは誰にも負けませんっ!!!!!」




少し強く彼女の肩を光瑠が掴むと長い黒髪を綺麗に靡かせて少女がこちらを向いた。





目の前にいるのは…
こちらを揺れる瞳で見つめてくるのはっ…




「真希っ…」




間違いなく、愛する女性(ひと)───…

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