近くて甘い
第41章 社長の初デートっ!
目を瞑った光瑠さんが唇を近付ける。
「光瑠さんっ…ここ人通り多いですっ…」
「どうでもいい」
「えっ…でもっ…」
「この数日、散々ベタベタしているのを見せつけられた」
??
見せつけられた…って…?
「今度は…
見せつける番だ───…」
パリの風を感じながら、私は光瑠さんに唇を塞がれた。
最初、周りの人が気になって落ち着かなかったけど、光瑠さんの情熱的なキスにそんな事を考える余裕はなくなった。
「………愛してる…」
「んんっ…」
「……………買いに行くぞ」
え…?
「何を…ですか…?」
ニヤリと笑った光瑠さんはまぶしく輝くジャケットを正した。
「───以前買おうといて買えなかったものだ…」
以前??
よく分からないまま、私は光瑠さんの腕を掴んでパリの街に繰り出していた…