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近くて甘い

第43章 将来の扉




「ああ…。さすがに全部ではないが…手前の方のやつは、悠月のやつだ…」




優しい、光瑠さんの声音。





「……素敵…」




悠月さんの遺品の中にあった、ひまわりの種。



それがこんなに綺麗に…



それに…この丘は…初めて光瑠さんの偵察に来た時に立った丘だ…




「───きっと…悠月さんも天国から見てますね…」



「だと…いいがな…」




そう言いながら、光瑠さんは、青い空を眺めた。





胸がいっぱいになって…


涙が出た。




悲しくはない…




人は、幸せでも…涙が出るんだ…




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