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近くて甘い

第4章 ファミレスと意地悪王子

「どうしてっ…!」



要さんがファミレスなんかにいるの!?


慌てる私に要さんは顔を近付けて笑った。



「こんなところで会えるなんて…やはり運命ですね…」



ドキッ──と胸が鳴った。



気付いたら手をギュッと握られて、身動きが取れないほどに見つめられる。


声が出ずにいる私をみて、要さんは、あっ…と声をあげると嬉しそうに笑って、私の唇を親指で撫でた。



「食べてくれたんですね?」


「え?」



そう言って要さんは私の唇の端を拭うと、ペロリとその指を舐めた。


あまりに色気に溢れた仕草にどうしてよいか分からずに目が回る。



「この桜のソース、春らしいしおいしいでしょ?」



え…?

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