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近くて甘い

第44章 White Prince and Black Prince

「で?調子はどうよ?」



「どうもこうもねぇ…」



短く揺れるスカートの裾を目で追い掛ける。


有川邸でのメイド服と比べるとかなり短くよな…あれ…



あの格好で…


おかえりなさいませご主人様っ!とか言っちゃう訳…?




「『まずいな…』」


「は?」



「お前そんな顔してるけど?」



「っ…」




ニタニタしている亮に浩平は目を見開いた。



お気楽のくせに勘は良くてすぐに見破ってくるこの親友に、浩平は、不満げな表情をみせていた。




「やっ…どうしようっ…メイク道具忘れちゃったっ…」




丁度そのとき、クラスメートである平沢亜紀乃(ひわさわ あきの)の泣きそうな声にクラスみんなが顔を向けた。



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