近くて甘い
第45章 おかえりなさいませ、ご主人様っ!?
表に戻ったらさっきよりもたくさんの人がいて、一瞬身体が固まる。
多分他校の人と思われるお客さんで溢れて止まらない。
「あぁっ…!真希ちゃん、ごめんっ!今来たお客さんの相手をしてくれるっ…?」
汗を流してそう伝えてきた亜紀乃ちゃんにうん、と返事を返した。
愛花ちゃんにメイクをしてもらったからか、いつもと印象が違って、何だか大人っぽい。
亜紀乃ちゃんには、1年前から付き合っている、高橋学(たかはし まなぶ)くんという、とても寡黙な彼氏がいる。
高橋くんは、亜紀乃ちゃんがあんなにかわいい格好をしていても気にならないのかな…?
ま…
余計なお世話…か…。
ぶんっと頭を振った私は、入り口で待っている男の子2人組に近付いた。
「おかえりなさいませっ、ご主人さまっ!」
ニコッと営業スマイルでそういうと、私は中に2人を案内して、亜紀乃ちゃんに引き継いだ。