近くて甘い
第47章 淡くて儚い
「んっ…」
温かな感触に包まれながら、完全にペースを持って行かれていることに要は居心地の悪さを感じた。
「っ…」
上目遣いで、要の表情を確かめる恵美の頭に手を添えて、余裕だということを必死で伝えようとしても、思い通りにはならない。
まずいっ……
「んっ……」
それどころか自ら快感を求めるように、微かに腰が動いてしまう。
「…………我慢しないで…」
「っ………我慢なんか…」
ジッと見つめられて、心臓を鷲掴まれた。
この人に……
嘘はつけないっ……
全部見透かされている────
「んっ……意地っ張り…っ」