近くて甘い
第47章 淡くて儚い
これは……
指輪?
「っ…ありがとっ」
要の手から、ふんだくるようにして恵美はその指輪を掴んだ。
何か様子がおかしい…
慌てる恵美のことを要は静かに見つめながら、そっとその背中を引き寄せて、恵美のことを強く抱き締めた。
「先生…」
若くて、そして、あまりにも真っ直ぐな
その想い…─────
くるりと振り返って要のことを見上げた恵美は、背伸びをして、唇を重ねた。
「んっ…」
触れていただけだったのが、要の勢いに負けて舌絡まる…。
「また…欲しそうな顔してますね…」
潤んだ瞳を向ける恵美に、要の胸がざわついていた。