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近くて甘い

第48章 想いは混ざる

「そんなことで許してもらえると思ってるわけじゃないが…」



「いやっ…そのっ…えっとっ…」




私今っ…、チャンスだよね!?!?



ドキドキと高鳴る胸を抑えながら、加奈子はギュッと目を瞑った。



「いやかな…?」


「いっ、いやじゃありません!!!!ぜひっ!ぜひご一緒したいですっ!!」



大きな声を出した加奈子に要は目を見開いたあと、フッと笑った。


顔を真っ赤にさせている彼女は、それを隠すように手で顔を覆っている。



何かも必死だ───



見えている彼女の姿が彼女の全て。




自分も…

こんな風に必死な姿を見せていたのだろうか…



加奈子を見ながら、要は昔の自分の姿を重ねていた。


そして、少し伏し目がちになると、じゃあ、と加奈子に声を掛けて、自分の部屋へと戻って行った。







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