近くて甘い
第48章 想いは混ざる
「…もうまどろっこしく言っても仕方ねぇな」
んん??
目を丸くする加奈子を見ながら、春人は、真剣な眼差しを向けた。
「俺は、ずっとお前のことが好きなの。分かる?大きくなったら結婚しようねってお前が昔に言ってた言葉を忘れてないわけ。」
「…んえ??ちょっ…え…っ???」
「あああぁああーーー!!!だからぁああ!!!!
お前をもらいに来たんだよ!俺と結婚しろって!そう言ってんのっ!!!!」
俺と…結婚…?って…
「へっ??えっ…なにっ…ハルはじゃあ私のことっ…」
今さらなことを口走ろうとする加奈子を春人は睨みつける。
「うっ、うそでしょっ!?!? もぉやだぁ〜、いいよっ!そんな嘘騙されないからねっ!」
「っ…うそじゃねぇ〜よっ!!かなの母さんにそろそろ頼むよって言われたから、覚悟してここまではるばる来たんだよっ!」
うっ…
うそだっ…!
ハルが私のこと好きだなんてっ…
「有り得ないっ!だってハル彼女作ってじゃんっ!」
加奈子の言葉に、春人は弱点を付かれたような顔をして、溜め息をついた。
「ばーかっ!あれはお前に嫉妬させようと…ってなに言わすんだよっ!」
顔を真っ赤にさせた春人を見ながら、加奈子は未だに体を膠着させていた。
幼馴染みの…
ハルが…
私のことが好きで…
プロポーズしてきて…
「きゃああああ〜〜!」
頭がパンクをさせた加奈子は、そのまま奇声を上げて、自分の口を手で塞いだ。