近くて甘い
第48章 想いは混ざる
どうしたら、こんなに怒れるんだろうかと、本当に感心してしまう…
そりゃあ、この話がすんなり行くとは思っていなかったけれどっ…
「…どうしてですかっ!私だってっ…私だってっ…光瑠さんの役に立ちたくって…」
「役に立ちたいと思うなら、家にいろっ!!!この一年でも相当我慢しているというのにまた二年も学校に行きたいなんて、許せる訳がないだろうがっ!!!」
っ…んもっ…!
この人は本当にっ…
「光瑠さんの分からずやっ!!」
「あぁ!?!?なんだとっ!?」
相変わらず大きく怒鳴る光瑠さんのことを私は目を細めて見つめた。
そりゃあ、有川商事は大企業で…
私が外国語を勉強したところで、きっともっといい通訳の人を雇っているから役には立たないかもしれないけど…
それでも、全く外国語がダメな光瑠さんの手助けが、本当に本当にちょっとでも出来れば…
なのに…
やっぱりこの気持ち、この人は分かってくれないの…?
「光瑠さんは私がただ隣にいればいいんですか?黙って……何もしないで…」
「……それでいい」