近くて甘い
第49章 逃げ道
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学校終わり、会議室に通された私は英単語帳をペラペラとめくっていた。
「えっと…意味は…なんだっけ…これ昔やったのになぁ…」
専門学校に行きたいと意気込んでから、頑張って英語の勉強をしている訳だけれど、なんせ私の英語の成績は目も当てられないような感じだし…
正直、不安しかない。
でも、ここで頑張って、光瑠さんをぎゃふんと言わせたい!
そして、ただ結婚して傍にちょこんと座っているだけの人形にはなりたくない…
「……接頭語だけで意味が同じようなものがありますから──…」
「あっ…要さんっ!」
突然聞こえてきた声に振り返ると、要さんは私の単語帳に手を伸ばした。
「例えば、このpre。例外はもちろんありますが、“前” という意味を含む言葉によく付く接頭語です…」
「はぁ…なるほど…」
胸元から出したペンで軽やかに書かれた説明を見ながら、私はうんうんと頷いていた。
「分かりやすい…確かにそうやって意味が分かってしまえば、覚えるのも楽になりそうです!」
「お役に立てて何よりです」
ニコリと笑われて、私も同じように要さんに微笑みを返した。
学校終わり、会議室に通された私は英単語帳をペラペラとめくっていた。
「えっと…意味は…なんだっけ…これ昔やったのになぁ…」
専門学校に行きたいと意気込んでから、頑張って英語の勉強をしている訳だけれど、なんせ私の英語の成績は目も当てられないような感じだし…
正直、不安しかない。
でも、ここで頑張って、光瑠さんをぎゃふんと言わせたい!
そして、ただ結婚して傍にちょこんと座っているだけの人形にはなりたくない…
「……接頭語だけで意味が同じようなものがありますから──…」
「あっ…要さんっ!」
突然聞こえてきた声に振り返ると、要さんは私の単語帳に手を伸ばした。
「例えば、このpre。例外はもちろんありますが、“前” という意味を含む言葉によく付く接頭語です…」
「はぁ…なるほど…」
胸元から出したペンで軽やかに書かれた説明を見ながら、私はうんうんと頷いていた。
「分かりやすい…確かにそうやって意味が分かってしまえば、覚えるのも楽になりそうです!」
「お役に立てて何よりです」
ニコリと笑われて、私も同じように要さんに微笑みを返した。