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近くて甘い

第49章 逃げ道

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「それでもやりたいんですっ…」



廊下を通っていた光瑠は、ドア越しに聞こえてきた真希の声に、目を見開いて足を止めた。



真希がなぜここにっ…




「社長の反対を押し切ってでも…?」



「はい…!」



「……分かりませんね…。あなたの将来は誰よりも安泰なのに…」



酒田の言葉に、光瑠はドアを開けることなくその場で立って話を聞いていた。


酒田のいう通り…


光瑠には真希を一生愛し抜く自信があった。


生活にも不自由させることは絶対にしないし、必ず幸せにさせたいと…



「それじゃあ嫌なんですっ!」



強い真希の言葉に、要は軽くフッと笑った。



小さな身体なのに、誰よりも中身は強くて…


いつもいつもそのパワーに驚かされる…。



真希さんらしい…。



きっと彼女は、どんなに周りが止めても、自分がこうだと思ったことをやり通すだろう──…



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