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近くて甘い

第49章 逃げ道

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「……大好きですっ…」




ぶつぶつとうるさく言葉を並べる光瑠は、真希に突然そう言われて黙ると、はぁっと息を吐いて、優しく真希のことを抱き締め返した。



負けることが分かっていて、こいつにとやかく言うんじゃなかった…


にしても、全ていいように言いくるめられているような気がして納得がいかないのも確かだ。



「そうやって言えば、俺の気持ちが鎮まると…そう思っているんだろう…」



「違います…言いたくなったから言ってるんです。本当は優しい光瑠さんが大好きです!」




ニコッと微笑みを向けられた光瑠は、片眉を上げながら、諦めたような表情を見せる。




「確信犯だな…」



「え…?」



「ふざけやがって…俺はこの会社の社長だぞ…」



「??知ってますよ…?何をいまさ──」



話し続ける真希の唇を、光瑠は優しく塞ぐ。



「………結婚は絶対延期しないからな」



「分かってます…」



返事をした真希は光瑠からのキスを微笑みながら再び受け入れていた。




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