近くて甘い
第52章 未来のために
「要さんのことも大事ですし…想っていましたけど…」
「分かってる…」
本当は分かっている…
「愛してます──…」
「あぁ…」
小さな顎に手をかけた光瑠は、優しく真希の唇を塞ぐ。
真希にとって要がどんな存在か…
そして、自分の傍にいることを選んだことの大きさ…。
「心配するな…」
「っ……」
「きっと関根は幸せになる」
真希にとっても、光瑠にとっても
要は無くてはならない、存在──…
「はい…」
コクり頷いた真希の額にキスを落とす光瑠。
そんな二人の様子を、古畑は絆創膏を持ちながら優しく眺めていた。