この前、近くて遠くて、人を拾いました!?
第1章 支度 (近くて遠い)
────────…
最初に動き出したのは光瑠さんで、無表情のまま私の手首を掴んだ。
「酒田、やはり今日は無しだ。欠席を伝えろ。」
「「えっ!?」」
私と酒田さんは声を揃えた。要さんは私を見ながら、ふぅん…と息を洩らして腕を組む。
「ですがっ社長っ…!着任のパーティーですので、やはりあいさつをしておいた方が──」
「うるさいっ!!行かないと言ったら行かないっ!!」
「きゃあっ」
何故か怒り出した光瑠さんは私を引っ張ってグイグイと階段を昇る。
なんで怒ってるのっ??
私の支度が遅かったからっ??
「あのっ…光瑠さんっ…ごめんなさいっ…」
私のせいだと思いとりあえず謝ると、光瑠さんは足を止めて、また無表情で私を見た。
「社長──酒田の言う通りです。九条院財閥は今回で代表の形態が変わります。それと共に他との付き合い方を大いに変えるかもしれない…」
要さんはゆっくりと階段を昇りながら光瑠さんを見上げた。
「いくら幼なじみとはいえ、今日はやはり挨拶に行くべきかと…」
「………っ」
何が話し合われているのかよく分からないが、光瑠さんが迷っているのは分かった。
最初に動き出したのは光瑠さんで、無表情のまま私の手首を掴んだ。
「酒田、やはり今日は無しだ。欠席を伝えろ。」
「「えっ!?」」
私と酒田さんは声を揃えた。要さんは私を見ながら、ふぅん…と息を洩らして腕を組む。
「ですがっ社長っ…!着任のパーティーですので、やはりあいさつをしておいた方が──」
「うるさいっ!!行かないと言ったら行かないっ!!」
「きゃあっ」
何故か怒り出した光瑠さんは私を引っ張ってグイグイと階段を昇る。
なんで怒ってるのっ??
私の支度が遅かったからっ??
「あのっ…光瑠さんっ…ごめんなさいっ…」
私のせいだと思いとりあえず謝ると、光瑠さんは足を止めて、また無表情で私を見た。
「社長──酒田の言う通りです。九条院財閥は今回で代表の形態が変わります。それと共に他との付き合い方を大いに変えるかもしれない…」
要さんはゆっくりと階段を昇りながら光瑠さんを見上げた。
「いくら幼なじみとはいえ、今日はやはり挨拶に行くべきかと…」
「………っ」
何が話し合われているのかよく分からないが、光瑠さんが迷っているのは分かった。