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この前、近くて遠くて、人を拾いました!?

第1章 支度 (近くて遠い)

真剣だった要さんは黙った光瑠さんを見て、突然眉を上げてフッと笑うと、私に視線を移した。



「まぁ…僕もあなたと同じ気持ちですがね…」



どういうことだろう…?



首を傾げていると光瑠さんはハァとため息をついて私を見つめた。



「俺から絶対に離れるな。分かったか。」



優しく囁かれて、私は反射的にコクンと頷いた。


そしていつもより光瑠さんの顔が白いような気がして、私はあの…と言葉をかけた。



「なんだ」


「光瑠さん、体調悪いんじゃ…?顔色が良くないです…」



私の言葉を聞いて、光瑠さんは不機嫌な顔をすると、傍にいた古畑さんに顔を向けた。



「ったく…だから嫌なんだっ…!!」


「……仕方ありません。」



よく分からない二人の会話。



それで体調は…?
大丈夫なの??



不思議に思っていると要さんが手を引いてくれた。



「きっと、顔色が悪く見えるのは、グレーのスーツだからですよ。」


「え…?」


「社長は肌が白いですからね。いつも白いスーツを着ているのは顔色が悪く見えないためなんですよ…」

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