
春の風
第5章 部屋
「あ、つーかさ太一」
「ん?」
「さっきのもうちょい詳しく教えてよ」
「……あ~、うん」
掃除も終わり残っていた生徒もだんだんと減っていき、今教室にいるのは俺と太一の二人だけだった
太一は近くにあった机に腰掛け、口を開いた
「……なんかね、俺とハルが廊下歩いてたらちょうどあの男とすれ違ったの。で、話してる内容はまあさっき言ったとおりなんだけど……」
「ただいま~……ん?なに話してんの?」
そこまで話すとちょうど涼太がゴミ捨てから戻ってきた
「おかえり~。さっきのハルの話だよ」
「え、俺も聞く聞く!」
そう言って涼太も近くの席に座った
