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春の風

第5章 部屋

「まあそれでさ、あいつが蜜花ちゃんの話をしてたんだよ。

そんで、俺らはたまたまその会話が聞こえて、女の子の名前も知らないし他人事だと思って『うわっ、あいつ最低だねー』とか話してたんだよ。


……そしたら相手の顔がハッキリ見えた途端、ハルがいきなり掴みかかってさ、そっからはお前らが見たまんまだよ…あ、あとは………」

そこで太一は少し気まずそうな顔をした

「あとは……??」

「……さっきは蜜花ちゃんがいたから言えなかったんだけどな。

あいつ、蜜花ちゃんは顔で選んで、ヤるためだけに付き合ったって。
だけど、ヤらせてくれないから浮気したって…」

は?おい、どんだけゲスいんだよあいつは!

「それと、これはハルの話なんだけど。

……あいつ蜜花ちゃんたちが別れ話してる時に偶然居合わせて、それで蜜花ちゃんと知り合ってたらしくて。

だからあの男の顔を知ってて、ブチ切れたんだと思う」

たしかに自分の知ってるやつがそんな風に言われてたらぶん殴りたくもなるよな

もし俺だったら俺も同じことしてたと思う




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