
春の風
第5章 部屋
「……なるほどね~
つーか、なんであいつ俺らに蜜花ちゃんの話してくれねんだよ!」
「冷やかすからでしょ……」
そう言って呆れた顔で太一は俺らを見た
「まあ、でも俺も詳しくは教えてもらってなくてさ……
その話の子と、ハルがいっつも見てた子が同じだってさっきわかって、やっと整理できたとこ」
知らない間にハルにそんなことが起きてたんだな~
ガラガラ
「……あれ、君たちまだ帰ってなかったの?」
すると教室に担任の佐伯先生と、副担任の高杉先生が入ってきた
「…いやあ、ハルちゃんの甘酸っぱい話しててさ~」
「ん?宮野の話?」
「殴り合いってもう、青春ドラマって感じしない?」
「っもう、涼太くんそんなこと言ってないで早く帰りなさい!はい、帰った帰った……」
「「は~い……」」
高杉先生に押されて、俺らはしぶしぶ教室から出た
「先生たちここラブホにしちゃだめだからね~」
冷やかすように涼太がそう言った
「あほか、バカ言ってないでとっとと帰れ」
涼太は佐伯先生に頭を叩かれた
